認知症・アルツハイマーを自宅で簡単に予防する主な4つの方法

認知症・アルツハイマーを自宅で簡単に予防する主な4つの方法

病気か健康か2つの立て札と別れ道

軽度認知障害やアルツハイマーの予備軍を含めると、日本人の65歳以上の約4人に1人が認知症だそうです。

その要因である「脳のゴミ」と呼ばれる物質は、30代頃からたまり始めます。

主に食後の高血糖とインスリン(ホルモン)が深く関係しており、普通の健康診断ではわからないということです。

その対策をとることで人生の質やビジネスの生産性を高めることにもつながります。

ここでは、自宅でできる簡単な予防方法をお知らせいたします

さぁ、予備軍から抜け出すために早速実践していきましょう。

 

目  次

認知症とアルツハイマーの関係

厚生労働省の2015年1月の発表によると、日本の認知症患者数は2012年時点で約462万人、65歳以上の高齢者の約7人に1人と推計されています。

 

また、その前段階とされる軽度の方々(MCI: mild cognitive impairment)と推計される約400万人を合わせると、65歳以上の約4人に1人が発症しているか、あるいはその予備群ということになります。

認知症とアルツハイマー、痴呆って、何が違うの?

「認知症」や「痴呆(ちほう)症」など、さまざまな呼び方がありますが、みな同じなのか違うのかという点です。

 

現在、日本医師会ではこれらを「にんちしょう」という呼び名で統一をするよう呼びかけているそうです。

 

ただ、これは病名ではなく症状になります。その主な症状は記憶障害です。

 

下記のグラフは、それを引き起こす原因疾患の割合を示したものです。

 

もっとも多いのが「アルツハイマー病型」で6割以上を占めています。つまり、認知症とイコールではないのですが、その原因疾患である割合がとても高いということです。

 

その他の原因疾患には、脳血管性型やレビー小体型、前頭側頭型などがあります。

認知症の原因疾患の割合を示した円グラフ

発症の要因は25年も前からたまり始める「脳のゴミ」!

世界の研究者によるとアルツハイマー病の引き金と考えられるものは、脳が活動した時に生まれる老廃物「アミロイドβ(ベータ)」という異常たんぱく質だということです。通称「脳のゴミ」と呼ばれています。

これを排出する機能が低下することによって、発症するということです。(2)発症の要因は25年も前からたまり始める「脳のゴミ」!

そして、それは約25年も前からたまり始め、早ければ40代から高齢になるほど多くなるということがわかっています。

つまり、この蓄積量が多いほど、アルツハイマー型認知症になる可能性が高くなるということです。男女比では、女性の方が男性に比べて1.4倍多いということです。これは、女性の閉経後のエストロゲンというホルモンの減少が影響しているとも考えられています。

 

ただし、認知症全体としては、男性の方が1.6倍多いそうです。

 

詳しくは後章でお話ししますが、この脳の老廃物が記憶を司る部位に障害を与えて、記憶障害を起こしてしまうということです。それによって、何かを認識したり、記憶したり、判断したりする認知機能の力が衰えてしまうということになります。

 

若年性と何が違うの?

昨今、TVドラマなどで話題になっているのが、若年性型です。

 

これは、40代後半から60才前半で発症する場合を指します。この場合、何年前ころからそのゴミと呼ばれるものが溜まっていくのかは定かではありませんが、症状が出る原因が65歳以上のものとは少し違うようです。下記のグラフをご覧ください。

若年性認知症の基礎疾患の円グラフ

厚生労働省の2009年の発表では、若年性は約4万人で、推定発症年齢は51.3歳±9.8歳だそうです。男女比は、男性が女性の2倍多いということです。一番多いのは、交通事故などで損傷した頭部の外傷ということです。

 

交通事故などで、頭を打った経験があるなどの既往歴があれば、注意しておきましょう。また、65歳以上と同じようにアルツハイマーが原因の場合もあります。

 

いずれも、若い故に発見されるまでに時間がかかることが多いようです。

 

仕事のちょっとしたミスから始まって、なかなか気分が回復できず、うつ症状と診断されることもあるようです。

 

ガンなどと同様に、年齢が若いとその進行も速いということです。また、遺伝的には1割程度が当てはまるそうです。この割合は少ないかもしれませんが、ある専門医は、遺伝が少ない分、誰でもなる可能性があると言っています。ですから、知識はとても重要です。ここで知識を得て予防策を実践してください。

その症状と状態とは!?

私達の認知機能とは、物事を記憶する、言葉を使う、計算する、問題を解決するために深く考える等の頭の働きを指します。

 

これらが上手く機能しなくなることによって起こる、もの忘れや新しいことが覚えられない、お金の計算ができないなどのさまざまな症状を認知症と呼んでいます。詳細は後述しますね。

 

これに関しては、若年性も65歳以上がなるものもそう違いはないようです。違うのは進行の速度です。

 

そして、実際にその症状が進行すれば、下記の図の行動・心理状態が現れてくるということです。

 

例えば、不安を感じることが多くなったり、気分が沈みうつ状態になったり、 無気力になったり。また、周囲の関わりの中で起きる幻覚や妄想、暴力、徘徊(はいかい)などの精神異常や行動障害を生じます。もちろん、個人差はあるでしょう。

 

一番問題なのは、介護が必要になってきてからです。当の本人もですが、家族も大変であるということです。

認知症の状態を表した図

よくニュースやTVでご存知のことも多いと存じますが、初期症状を早く確認するための予測チェックリストが下方にあります。そちらをご覧になって、ご自身やご家族の状況をチェックしてみてください。

 

加齢による物忘れも、みな予備軍?

年齢を重ねると、物忘れが多くなる人がいることも事実です。ですが、気をつけて頂きたいのは、自分で自分の記憶力を悪くしてしまっている現実もあるということです。

 

よく耳にするのは、「最近すぐに忘れてしまう。もう嫌になってしまう!」と、この言葉を何度も繰り返す人、あなたの近くにいませんか?

 

実際に、『何度か物忘れしたことを何度も頭の中で繰り返し』考えたり、言葉に出したりすることによって、さらに物忘れを強化してしまうという事実があります。これを無意識にしていることが一番の問題!です。

 

ですから、自分でものわすれを強化しないように要注意!です。

 

なぜ、問題なのか?この脳の仕組みについて、お知りになりたい方は、下記をご参考ください。

↓ ↓ ↓

さて、加齢によるものと認知症によるもの忘れは、どういう違いがあるのかという点です。

 

加齢によるもの忘れは、例えば、朝食や昼食に何を食べたか、すぐに思い出せないことはあるでしょう。しかし、食べたかどうかは覚えています。また、もの忘れの自覚があります。

 

逆に認知症の場合には、自宅(外でも)で食事をしたことや少し前に旅行したことや買い物に行ったこと、比較的新しい記憶を忘れていて、そのこと自体を覚えていません。また、ものわすれの自覚もありません。

 

簡単に言うならば、前者は経験の一部を忘れてしまうだけなのですが、後者は経験そのものを忘れてしまうことが多くなります。

 

ただ、初期のころは見分けがつかないことも多いようですから、家族は注意深い観察をお勧めします。

 

また、本人はすべてを忘れるわけではなく、感情もあれば自分が家族に迷惑をかけていることも、自分ができないことが増えていることもわかっています。ですから、これから先どうなるのか不安や心配に襲われることもしばしばあるので、心のケアも必要だということです。

左人差し指を掲げた笑顔の女性

 

ごく初期の認知症予測チェックリスト

下記のチェック表は、ごく初期、あるいはそれに進展する可能性のある状態を、本人自身が、あるいは同居者などが簡単に予測できるように考案されたものです。

 

あなたの心配を減らすためにもチェックしてみてください。少しくらいのもの忘れは、問題なしです!

 

<採点法>ほとんどない=0点 時々ある=1点 頻繁にある=2点

項目点数
同じ話を無意識に繰り返す
知っている人の名前が思い出せない
物のしまい場所を忘れる
漢字を忘れる
今しようとしていることを忘れる
器具の説明書を読むのを面倒がる
理由もないのに気持ちがふさぐ
身だしなみに無関心である
外出をおっくうがる
10物(財布など)が見当たらないことを他人のせいにする
合計

(大友式認知症予測テスト)

▼評価▼

0〜8点=正常 9〜13点=要注意

14〜20点=専門医(脳神経内科、認知症外来など)で診断を受けましょう。

脳のパズルと外れたピース

 

予防は可能なのか?

前章でもお話しましたが認知症の原因となる病気には、主に以下の3つがありました。

 

  • a.アルツハイマー病…約60%
  • b.脳血管障害…20%
  • c.レビー小体病…10%

この大部分を占めるa、bについて対処することで、発症を予防できる可能性が高くなります。

 

アルツハイマー病は、脳のゴミによるもの

これは、脳が活動した時に生じる 老廃物であるアミロイドβベータ(異常なタンパク質)”と呼ばれるものによって引き起こされるそうです。

 

その老廃物を排出する力が低下してたまってしまうと、記憶をコントロールする海馬という部分がダメージを受けます。そして、その神経細胞が少しずつ萎縮(縮む)していくことで発症するということです。この排出する力には、膵臓から出されるインスリン(ホルモン)が大きくかかわっています。

 

それによって、初期のころは比較的新しい記憶を忘れることが多くなります。認知症の研究者によるとこの“脳のゴミ”がたまり始めるのは一般的には発症の25年位前からということがわかっています。

 

これを予防するためには、自宅でのバランスのとれた食習慣と適度な運動、そして、元気な精神活動を維持していくこと。日々、意欲を持って生活していくことが結果的に発病しない人生、或いは、それを遅らせることにつながります。これらに関しては、4章でお知らせいたしますね。

 

最近わかってきた糖尿病との「危険な関係」!

さらに、最近わかってきたことは、この病気の人は認知症になりやすく、なってしまうとそれ自体も悪化しやすくなってしまうということです。

 

現在、全国にその患者は950万人、冒頭でもお伝えしましたが認知症患者は462万人です。前者の病気のある人は、そうでない人に比べ、アルツハイマー病型や脳血管障害型の発症のリスクが、2倍から4倍高いということです。

 

これには、膵臓から作りだされるインスリンというホルモンがカギをにぎっています。この量が不十分であったり、分泌されてもそれが上手く働かないことによって、血糖値をコントロールできないことが原因で発症します。

 

ものすごく簡単に説明しますと、脳の神経細胞のエネルギー源のほとんどは「糖」なのだそうです。そのために常にそれを取り込まなければならないのです。そのときに必要な働きをするのがインスリンです。

 

しかし、血糖値が高くなっていると、その働きが悪くなると同時に、ゴミであるアミロイドβも増えやすくなるのです。また、逆に低くても脳の神経細胞にダメージを与えてしまうということですから、その量のバランスを取ることは非常に重要であるということです。

この件については、後述しますが、このコントロールが上手くいかないこと自体がさまざまな病気を引き起こす根源だということです。また、これ自体が病気であると断言している医師もいます。

 

現在、日本を含むアジア圏では、糖尿病患者が急速に増えています。その原因は、食生活の欧米化にあり、高カロリー食によるものとされています。

 

アジア人は、もともと欧米人に比べて、からだのしくみとしてインスリンを分泌する量が少ないそうです。そのために軽度の肥満でも、糖尿病になりやすいとも言われていますし、痩せていても十分に起こり得ますので要注意です。

 

発病の原因としては、ストレスや運動不足も大きくかかわっていると考えられています。

 

また、たちが悪いことに自覚症状がほとんどないので、医者から病名を診断された時には、すでに何かしらの合併症を併発している可能性が高いということです。

 

そこで、次の3章では、あなた自身の血糖値を調べて異常でないかどうかをチェックする方法や、4章では、食事の対策として「マインド食」について、その他、自宅で簡単にできるストレス解消法や運動について、お知らせいたしますね。お楽しみに。

メジャーと男性の腹囲

脳の血管障害は、生活習慣病が原因

また、脳血管障害による認知症は、血管が詰まって起るのう梗塞や、破裂して起こるのう出血などが原因で起こります。

 

その障害を受けた部分が、記憶に関係する場所に影響し細胞の萎縮が起ると、発症する可能性が高いということです。

 

主な症状としては、身だしなみがきちんとできなくて「だらしなくなる」とか生活する上での「意欲の低下が著しい」、「感情の起伏が激しくなる」などです。アルツハイマー病と合併するケースも少なくありません。

 

実は、この型の場合も糖尿病が深く関係しています。ですから、生活習慣病の予防にも努めることが重要です。

 

そのための食事や適度な運動と精神活動は、4章にまとめてありますのでご参考ください。

 

予防策の実践は、あなたの人生の質を高める!

以上から、認知症にならないようにするには、まずその引き金になる原因を作らないこと。これは、発症する25年前から始まっている可能性が高いことを踏まえると、できることなら30代後半から、いえ、若年症を加味すれば20代からの予防策も早すぎることはないかもしれません。

 

人生100年時代を考えると、いくら薬の開発が進んだとしても、薬にお世話になったり、誰かに長い間介護をしてもらって生きることは、精神的にも経済的にもストレスがかかります。

 

ですから、主な予防策は食事と運動とストレス解消を上手く習慣づけることで、いずれも自宅でできますので改善の余地大です。

 

また、この対策は、あなた自身の健康改善や維持だけでなく、脳を活発に働かせることに通じますので、記憶力や集中力などの能力アップにつながる可能性がとても高くなります。さらにあなたの仕事やビジネスの生産性を高めることにもつながります。

 

そして、これはあなたの人生の質を大きく変えていくことにもなるでしょう。からだが元気であるということは、かけがえのない資本になります。

 

いつまでも元気で、快活に年を重ねていくのか、或いは、認知症になることを心配しながら今と同じ生活をしていくか、どちらの人生もあなた次第です。

 

自宅で簡単にできるチェックと得する知識

リビングの窓にカフェカーテン

正常な働きのカギをにぎるのはインスリン!

これまでの章からわかっていることは、65歳以上の認知症には、主にアルツハイマー病と脳血管障害から発症しているものでした。そして、それらには、糖尿病が大きく関係していることにも触れてきました。

 

ここでそれらの関係を整理してみますと以下のような流れで、発症につながっていくことがわかります。

 

通常、食事から摂取された糖分は、すい臓から分泌される「インスリン」というホルモンの働きによって、血液内を流れて、各臓器や筋肉などの細胞内に取り込まれます。

この糖分は、車でいうとガソリンに値します。つまり、私達が運動したり、考えたりするときのエネルギーにあたります。

 

そのエネルギーが各臓器や筋肉などの細胞に運ばれた後、血液中に残った糖分量をインスリンが正常範囲内に調整します。

 

これが、からだが健康で正常に働いている時に起っています。

食後の正常なインスリン働きを示した表インスリンと糖との関係図

 

こわい!血糖値スパイクは健康診断ではわからない!

しかし、このインスリンが上手く細胞の中に取り込めない、つまり、不正常な状態であるのに、健康診断にひっかからない人達が約1400万人もいるということが2016年のNHKスペシャルで放送されていました。

 

1400万人とは、日本の人口の約1割強です。これは20代のやせている人でも起こっています。しかし、本人はいたって健康であると思っていて生活に支障はきたしていないのです。

 

下記の棒グラフをご覧ください。この赤ラインは食後の異常な値を指しています。針のようにとがった山型になることから「血糖値スパイク」と呼ばれているようです。これを何度も繰り返し起っている人が糖尿病や認知症、心筋梗塞、脳梗塞の予備群となりますので、注意が喚起されています。

血糖値スパイクを表した折線グラフ

血糖値スパイクを表した折れ線グラフ(赤ライン) 正常推移(青ライン)

赤ラインのプロセスは下記のようになっています。

食後の不正常なインスリンの状態を表したもの

インスリンの不正常な働きによるダメージ図

◆自覚症状はあるの!?

参考として、下記のような症状があります。

・食後、急激に眠くなる。眠気が落ち着くと今度はイライラしたり、集中力が低下する。

・強い空腹感に襲われる。しかも、高カロリーなものが食べたくなる。

その時に糖質をとると、また急激に値があがる

 

◆危険度チェック!血糖値スパイクチェック表(2016年NHKスペシャル)

下記をクリックすると、チェック表がでてきます。下記をくりっくしてください。

「血糖値スパイクチェック表」

簡単な8つの質問に答えるだけで、チェックできます!

その防止策については、誰でもすぐに自宅できる方法を第4章にてご紹介します。

高齢者がうさぎの絵を描いているところ

認知症が引き起こされる主な2つのパターン

血糖値が高いと次の二つの障害が起ります。

 

◆パターン① 高インスリン状態⇒アミロイドβ増やす⇒アルツハイマー病

前述の血糖値スパイクが起るプロセスで、血液中にインスリンが多い状態が続くと、脳細胞にアミロイドβがたまることになります。それが記憶を司る海馬の神経細胞にダメージを与えます。すると、細胞が萎縮して発症する可能性が高くなります。

 

糖は脳に欠かせないエネルギーですが、近年、それの高い状態が続くと、なぜか物忘れしやすい状態になってしまうことがわかってきました。

 

海馬がダメージを受けることで、物忘れしやすい状態になるということです。これによって影響を受けるのは、「作業記憶(ワーキングメモリ)」力の低下です。

 

これは、何かをしているときに一時的に覚えている力のことです。それが低下することで起きる物忘れです。

「台所に来て何かをしようと思っていたのに、来てみたら忘れた」

「電子レンジの中に料理を置きっぱなしにしていた」など。

 

このような作業記憶力の低下に思い当たる節がよくある場合には、下記の簡単なチェックをしてみましょう。また、新潟県魚沼市の食習慣改善の取り組み例をご参考ください。

 

◆1分間でわかる!物忘れ簡単チェック方法

1分間に 動物の名前をいくつ言えますか?さぁ、チャレンジ!

<結果>あなたはいくつ答えられましたか?

13種類以下であれば少し注意が必要です。

  • 知識などに個人差があるため、あくまで一つの目安です。13以下の人が即、危険であるということではありません。
血糖値改善、新潟県米どころ魚沼市の予防対策!
新潟県魚沼市では町ぐるみで糖尿病対策を行ったところ、物忘れや認知機能を示す数値の改善が相次ぎ見られたそうです。実際に改善した方々が行ったのは主に以下の3つです。
1.週2~3回の適度な有酸素運動
2.適度な糖質制限
3.野菜から先に食べる
 

生活習慣を見直して改善することは、物忘れを予防する上でも重要と考えられています。

値が高い人は運動や食事習慣を見直して、正常範囲内にコントロールすることが予防につながります。また、これまでの習慣を変えていくときに、私達はストレスを感じます。第4章では、そのストレスの軽減方法についてお伝えいたします。

管の中のざりがに

◆パターン② 血糖値スパイク⇒活性酸素↑⇒動脈硬化⇒認知症

食後の血液内の糖の量と普通の時の量の落差が激しいと細胞からたくさんの活性酸素が発生します。これがまさに“万病の種”!なのです。

 

そのスパイクの繰り返しが約2週間続くと、活性酸素が細胞の約4割を死滅させます。また、血管の壁は傷つき炎症を起こします。その傷ついたところに免疫細胞や悪玉コレステロールと呼ばれているLDLコレステロールがどんどん集まって傷をふさぎます。

 

LDLコレステロールは、人間が勝手に悪玉と呼んでいるだけでちゃんとした役目もあるので、なくなっても困るのです。

 

が、炎症が持続的に起こっていると、修復が繰り返されて、その部分がカサブタのように盛り上げってきます。これが“プラーク”と呼ばれる塊です。この塊が多くなると、血管がつまります。

 

ですから、このようなことがからだのあちこちで引き起こされる可能性があるのです。そうして、突然の心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こすキッカケとなって、認知症に移行しやすくなるということです。

 

また、血管が炎症を起こす原因には、活性酸素の他に、以下のようなものがあります。

 

喫煙、トランス脂肪酸※、極度の肥満(BMI=35Kg/m以上)、ストレス、老化など。

 

※トランス脂肪酸…人工的に作られた油。心疾患の大きな危険因子。例えば、マーガリン、ショートニング等

 

脳のゴミを予防する3つの対策とは?

先ほど、血中のインスリン濃度が高くなることによって、通称“脳のゴミ”であるアミロイドβがたまり、それが神経細胞にダメージを与えて、アルツハイマー病の引き金になるという話をしました。

 

さて、このゴミは取り除くことはできないのでしょうか?

 

それには、3つの予防対策があります。

  • 適切な睡眠― 睡眠はアミロイドβを脳から洗い流す能力が高まることがわかってきました。つまり、睡眠時間はそれをを処理する大事な“クリーニングタイム”ということです。適切な睡眠時間を確保することが大切です。
  • 有酸素運動― これをすることで、アミロイドβを分解する酵素を増やすことが期待できます。また、神経細胞を活性化するホルモンが分泌されるということです。運動することで、ほどよく眠れるのでアミロイドβの排出にも好影響をもたらすと考えられます。
  • 食事…マインド食を取る― これは、アルツハイマー病を予防する食事法です。詳細は第4章に掲載しておりますので、ご確認ください!
【 2015年ラッシュ大学医療センター(アメリカ・シカゴ)の研究 】
 
高齢者1000人を対象に5年間、追跡調査した結果があります。それは、このマインド食において、積極的にとるといい食材10項目となるべく控えた方がいい食材が5項目あります。
全部で15項目あります。 この内、9項目以上を達成できていた人たちは、5項目以下しかできなかった人達に比べると、アルツハイマー病の発症率が53%も低いという結果がでたということです。
⇒ 第4章(1)にて紹介します。

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耳に手をあてて聞く女性

最大の要因は聴力の低下!?脳の萎縮が進む!

2017年の権威ある医学誌で「認知症の最大の要因」と発表されたのが、意外にも「聴力」。聴力は脳の広い範囲に影響を与えるため、一度問題が起きると「萎縮」しやすいことが明らかになってきたのです。

 

実は、60代で2~3割、高齢者全体では3人に1人が「耳の機能の低下」つまり、隠れ難聴のようです。彼らは日常会話などにほとんど問題がなく、気づかないそうです。

 

この難聴を放置しても認知症を発症する確率が上がってしまうというのです。

【その理由】

まだはっきりと解明されているわけではないようですが、難聴はそもそも頭の血流量が悪くなってくるために、起こると考えられています。そのために、下記のような刺激がなくなるため、のう細胞の働きが退化していくことで認知症になるリスクが高くなっていくと考えられます。

 

  • 会話が億劫になり人とのコミュニケーションを避けるようになるので、脳を活用しなくなる。刺激も減る。
  • 聴覚は頭の広い範囲に影響を与えている。その音の情報が少なくなるので、刺激が減る。
  • 普段の多少聞こえづらい時の会話は、その文脈から脳が勝手に推測して内容を補足することができるが、それが働かなくなる。⇒脳が退化し始める。

 

◆脳の神経細胞を活性化する3つの対策!

のうを活用しなければ、その毛細血管のゴースト化が始まります。ゴースト化とは「死滅」を意味します。

 

血流を良くすることが神経細胞を活性化することにつながっていきます。それは非常に効果的な予防策でもあります。また、脳を活用することでも、血液循環が良くなりますし、使えば使うほど、年齢に関係なく成長していくことがわかっています。

 

その3本柱をご紹介します。

  • 有酸素運動― 有酸素運動をすることで、神経細胞を活性化するホルモンが分泌されます。
  • コミュニケーション― 他人と会話をすることは脳を活性化させ、さまざまな感情的な刺激も受けます。特定の人と同じような会話をするよりも色んな人と出会って、新鮮な会話をするとより効果的です。高齢者は若い人たちと積極的におしゃべりすることがお勧めです。
  • 知的活動― 頭を使いながら指先を動かす作業のことを知的活動といいます。これも脳を活性化するのによいとされています。具体的には、囲碁や将棋、裁縫など。

 

◆あなたは難聴?を確認する方法

弱い難聴は下記のような状態です。

  1. ふいに声をかけられると聞き取りづらい
  2. 名前(加藤と佐藤など)をよく聞き間違える
  3. 車の音がしても、どっちの方向から来るかわからない
  4. 小声は聞き取りづらいが、大声は異常に響く

 

予防法の一つとして、寒い時期には、首や頭を冷やさないようにすることもポイントです!睡眠時の保温(ナイトキャップなど)も心がけましょう。

5つのチェック欄

あなたの認知症度と改善項目チェック!

認知症は気づかないうちから始まっています。それを予防する為に、早くから取り組みを習慣化していくことがお勧めです。

 

これまでを簡単に整理してみますと、以下が大きな危険要因になります。

  • (1)高インスリン濃度による脳のゴミ、アミロイドβの蓄積
  • (2)高血糖がもたらす動脈硬化
  • (3)難聴がもたらす脳への刺激低下

 

これらのリスクを減らすために、からだの中の血液循環をよくすることも大きなポイントです。下記は押し出す力や吸収する力、流れやすくする項目がわかるようにしています。あなた自身の状況をチェックしてみてください。そして、実施していないものがあれば、少しずつから取り組み始めてみましょう。

血液を送る動力(押し出す力と吸収力)

 

流れやすくする(障害を取り除く)

 

食習慣の改善

マインド食と食事のとり方⇒第4章(1)

血糖値スパイクへの対処⇒第4章(2)

極度の肥満(BMI35Kg/m以上)→ダイエット

⇒◇「運動せずイライラしないで痩せるメンタや術とは?」

運動… 週2~3回の適度な有酸素系でからだを動かす

⇒他「老化」 第4章(4)

⇒「【チェックシート付】足の冷え症の原因と6つの改善方法」の(4)血流回復・改善1日1分×3回の簡単な運動と習慣化するコツ

 

禁煙

「禁煙のメリットはすごい!道具を使わずに1ヶ月でタバコをやめる方法」

 

ストレス作らない、溜めない

→第4章(3)

→◇「【チェックシート付】足の冷え症の原因と6つの改善方法」(1)ストレスを軽減する習慣を身につけよう!を参考

 

脳の活性化

知的活動 ⇒第4章(3)

認知症予防!自宅でできる主な4つの方法

サラダを食べる女性

(1)アルツハイマーのリスクを下げる『マインド食』とは? 【食材内容】

先ほど、2015年のアメリカのラッシュ大学医療センターの研究で、発症を予防する食事法、マインド食について取り上げました。その食材と摂る回数は以下になります。(1)アルツハイマーを予防する『マインド食』とは? 【食材内容】

 

【 積極的に取ると良い食材 】…()内は摂る回数の目安

  • 緑黄色野菜(週6日以上)
  • その他の野菜(1日1回以上)
  • ナッツ類(週5回以上)
  • ベリー類(週2回以上)
  • 豆類(週3回以上)
  • 全粒穀物(1日に3回以上)
  • 魚(なるべく多く…主に青魚※)
  • 鶏肉(週2回以上)
  • オリーブオイル(優先して使う)
  • ワイン(1日グラス1杯まで)

《補足》

 

生で食べられるものは、なるべく工夫をして生食で食べることで、食物内の酵素が体内に取り込めます。をお勧めします。

【 控えた方がよい食材 】

  • 赤身の肉(週4回以下)
  • バター(なるべく少なく)
  • チーズ(週1回以下)
  • お菓子(週5回以下)
  • ファストフード(週1回以下)
  • 青魚
  • 減塩

…日本人の食生活では塩分摂取量が多めなので“減塩”がポイント。実は、塩分の取り過ぎは脳の血管を傷つけることにつながります。これは血管を死滅させて動脈硬化につながる可能性があるため、取りすぎの方は、塩以外の味付けに変更していきましょう。

これらは、アメリカの医療センターの指標です。細かくは、日本人や個人の体質によっても差がありますので、大まかな目安として捉えてください。

 

(2)万病の種!血糖値スパイクへの簡単な3つの対策方法 【食事のとり方

食後の急上昇を抑えるために、下記の3つを実践していきましょう。
それによって、ご飯やパンなどに多く含まれる糖質が血液中に吸収されるスピードを遅くしてくれます。

① 食べる順番は: 野菜⇒肉・魚⇒ご飯・パン

食物繊維を多く含む野菜などを最初に食べると、食物繊維が腸の壁をコーティングしてくれるので、糖の吸収がゆるやかになります。
また、タンパク質や脂質を含む肉や魚などに反応すると、「インクレチン」という消化管ホルモンが放出され、その働きでさらに吸収が遅くなります。なので、毎食、食べる順番を意識して変えていきましょう。

暑い夏は生ビールを飲む前に、一口枝豆などをつまんでおきましょう。
間食もしないにこしたことはありませんが、食べるならナッツ類や味付けコンニャク、豆腐系にしてみてはいかがでしょうか。

②朝ごはんはちゃんと食べる

朝ごはんを抜くと、昼食の後により強く血糖値スパイク★が発生しやすくなります。
前章の★チェック表で、その傾向がみられる場合には、少しでよいので旬の野菜や脂質、タンパク質を摂ることをお勧めします。

③食後すぐのちょこちょこ運動!

血糖を抑えるには、食後の運動も大事です。血液内の糖の高い状態が続くことで、血管壁や細胞に糖がからみついた状態になり、インスリンや必要な栄養素やホルモンが取り込まれにくい状態が起こってくるそうです。


ですから、食後すぐにできるちょっとした軽作業や動くことで、高い状態をより早く正常値に戻すことができるということです。
下記の簡単な運動は自宅でも会社でもすぐにできます。
また、この章の最後のNASA推薦の運動!?もご参考ください。


◆かかと上げ下げ運動…つま先で立ち、かかとに少し負荷がかかるようにストンと落とす。これを1分間、ちょこちょこ繰り返す。
また、かかとをゆっくりと音を立てないでおろす。
これも1分間、自分のペースでちょこちょこ繰り返す。
この2つを取り混ぜて、食後には少し回数多く、それ以外の時間もちょこちょこ取り入れていくことがオススメです。

前者は、かかとへの軽い衝撃が骨を強くする効果があります。後者はふくらはぎに負荷を与えることで、その筋肉を鍛え、体の血液循環をよくしていきます。ふくらはぎは第2の心臓とも呼ばれています。


もちろん、上半身を動かす体操も取り入れればなおさら良いですね。
いつまでも元気に過ごすために、新しい食習慣を少しずつ取り入れていきましょう!

(3)自宅で楽しみながらする脳トレ! 【脳の活性化!】

頭の回転を良くするためにも、人とのコミュニケーション活動や頭を使いながら指先を動かすことは大いに役に立ちます。


加えて、ここでは、その他に脳を活性化する3つの方法をご紹介します。
• 1日2回朝晩10分、イメージでリハーサル
• イメージを使った簡単!記憶力アップトレーニング
• 子供にもどって、人生の感動を味わい楽しむ活動をする


これらの方法は、あなたの左脳だけではなく、右脳の働きも活発にさせる方法です。
五感を自らフル稼働させ、安心感や喜びなどの肯定的な感情を高めます。
それが心の安定につながり、モチベーションを保つドーパミンや癒しのホルモンが分泌されます。
それによって、効果的に活用することが可能になります。
また、ストレスを効率よく解消することもでき、質の良い睡眠効果をもたらします。
その睡眠は、老廃物アミロイドβを脳から洗い流す能力を高めてくれます。
さらに、からだ中のホルモンバランスを健康に向かうように整えていきますので、アンチエイジングにもつながります。
また、自分自身をコントロールするセルフコントロール力もアップしますので、精神的にはイライラしにくくなり穏やかな気持ちになる傾向にあります。
自分の感情をコントロールできる可能性が高くなります。


では、具体的な方法をご覧ください。

1)1日2回朝晩10分、イメージでリハーサル

これは、1日、朝と寝る前の2回行うことをお勧めします。
目的は、認知症予防だけではなく、次の二つにも活用できます。
• ①今日(数日後、数週間後)の大切なイベントを順調に運ぶ為。
• ②今日の成功体験の充実感や達成感、その他の肯定的なポジティブな感覚を明日にも引き継ぐためです。


■朝…次の3つのステップで進めます。
◆ステップ1:始めに、心とからだをリラックスします。
静かな場所で椅子に座り、目を閉じます。大きく深呼吸をしてください。
ゆっくりと10回位行います。


この時の大切なポイントは、呼吸に意識を集中することです。息を大きく吸って、ゆっくりと静かに長く吐くようにしてください。(後述しますが、腹式呼吸が望ましいです)


これで、心とからだが徐々にリラックスしていきます。そうすると、自然に脳波が下がり、ベータ波からアルファ波に移行していきます。アルファ波が出ている時には、体が自然に温かくなり、心がとても落ち着いた気持ちよい状態になります。


ステップ1は、あなたの心のケアをしていくのに、一番重要なステップです!これを実践するだけでも、他のさまざまな効果が実感できると存じますので、丁寧に実践して下さい。詳細は下記をご覧ください。


心とからだをリラックスして脳波をアルファ波にする方法は下記をご参照ください。疲れやストレスを解消し、心を穏やかにしていきます。さらに、さまざまな効果も期待できます!
↓ ↓ ↓



◆ステップ2で次のことを行います。
今日1日の流れをイメージ(メンタルリハーサル)します。
特にその中であなたにとって大切なこと、接客、営業、試験、講義、説明などのイベントがある場合には、それに対して、具体的にイメージの中でポイントを押さえながら、すでに上手くいっていることと同じような成果を得たい場合には、その時のことを思い出す。以前うまくいかなっかったことを成功させるためには、上手くいった様子を想像してください。そして、いずれにしても、それらが成功した達成感を想像の中で味わってください。
ここでの大切なポイントは、五感をフル稼働させて、あたかも実際に体験している気持ちになってイメージすることです。


◆ステップ3:終わりの宣言
次のことを宣言しながら終わります。「 」内の言葉は、心の中で宣言します。
「今から、私は1から5まで数え、指をならします。その瞬間、目をあけます。ハッキリと目覚め、爽快な気分で完全に健康です。前より一層良い気分です。」


それから、ゆっくりと
「1、2、3」
「5を数えた時、私は目をあけます。ハッキリと目覚め、爽快な気分で完全な健康を感じます。前より一層よい気分です。」


「4、5」(指を鳴らす)目を開けます。
「ハッキリと目覚め、爽快な気分で完全な健康を感じます。前より一層良い気分です。」
以上です。


■寝る前…最初は1)のステップ1と同じです。3も同じです。ステップ2で次のことを行います。
大事なイベントがまだ先でしたら、朝と同じ内容をイメージしてもOKです。何度も繰り返すことで、新しい気づきやもっとこうしたら良いのでは!などのヒラメキが得られ、さらに良いものに仕上げられる可能性もでてきます。
また、今日が大切なイベントの日であったならば、それを一部始終しっかりと五感を活用して思い出し再体験します。


成功に終わったならば、その体験をしっかりとかみしめましょう。悔しい思いをしたならば、それも思い出し、なぜ悔しかったのか、自分の気持ちも洞察してみます。もし、失敗に終わったとしたら、何がまずかったのかをこの状態で改めて振り返ってみます。そして、今度のチャンスがあるなら、そこで、どのような結果を望みたいのか、イメージしてみることです。


或いは、今日、1日を振り返って、あなたにとって良かったなと思えたこと、何の変化もなくいつもと同じ毎日だったとしても、普通に食事ができたことや誰かの笑顔と接したこと、風呂に入って気持ちよかったことなど、何気ないけれど、何事もなくてよかった1日を振り返ってみます。


いずれにしても、目を閉じた状態でリラックスをして、イメージ力を使う時間を設けるということ。これが脳を活性化するコツです。


このことを毎日、行うことをお勧めします。
この方法は、あなたを成功体質へと構築してくれます。

2)イメージを使った簡単!記憶力アップトレーニング

◆覚えたいことが「もの」の場合
A)まずは、覚えたいことを1つ特定します。
例えば、今日1日の内に片付けなければならないことや買い物しようと思っている物が、10ケあるとします。


B)それらを順に覚えていくために、次にあなたが見慣れている場所を1つ決めます。
例えば、あなたの家の中や通勤の道のり、いつもよく行く場所、会社の建物や自分の部署内、学校等です。
このすぐに思い出せる場所の中から、1つを定めます。
そして、Aの覚えたい(覚えなければいけない)個数分の場所を細かく割り振っていきます。
その場所を例えば、自分の自宅に決めたとしたら、ポイントになる場所がいくつもあるでしょう。玄関のドア、下駄箱、飾り絵、戸棚、洗面所の床、鏡、洗濯機、風呂場のドア、浴槽、シャワー、廊下、キッチンのシンク、ガスレンジ、冷蔵庫、食器棚、etc。

その場所を思い出して、覚えたいものをそこにイメージで張り付けていくのです。
今日の買い物が白菜、ニンジン、ニンニク、ドレッシング、パンなど、とりあえず決まっているものが10ケあるとしたら、まず1つめの白菜を玄関ドア一杯に大きくイメージする。2つ目のニンジンを下駄箱のつまみに置きかえてみる。3つめのにんにくは飾り絵に、形を大きくしてぶら下げてみる・・・など。


ポイントは、おもしろおかしく、なるべくあり得ないでしょ!的な奇想天外にインパクトのある「絵」「画」にしてみます。想像力をつかって楽しんでみてください。そして、その映像だけではなく、音や臭いまでをも思い出したり、感じてみましょう。

全部決めた場所に貼り付けたら、もう一度、目を閉じて1個目から思い出してみます。
前述のステップ1で心とからだをリラックスしてから取り組むと、なお更よく記憶に残るでしょう。

多分10個くらいなら、簡単に思い出せると思います。
これを買い物にいくまでに何度か繰り返し思い出しておきます。


これら2つの方法の活用目的は、脳を細胞レベルで活性化するために実践していただきます。しかし、人生での目標達成や願望実現という意味では、このステップ1でのリラックスをベースに、たくさんの応用方法があります。

3) 子供にもどって、人生の感動を味わい楽しむ活動をする

年齢を重ねると、つい「若くもないのに…」「年甲斐もなく…」などという考えが浮かんでくる方が多いです。日本人は特に、人の目を気にする文化なので、自分が年齢相応の格好や趣味をしていないと、変な目でみられるのではないかと無意識に感じてしまうようです。


本当は、自分の子ども以上に若くて素敵な人を見かけたら、胸がキュンとするような気持ちももっているはずです。そんな青春時代の気持ちを呼び戻して、もっと好きなことや興味のあること、そして若い人達がしていることをいっしょに取り組んでみてはいかがでしょうか。


脳が刺激を受けることが一番の活性化につながります。自宅で長い時間TVを見ているだけではなく、TVが言った言葉をそのまま声に出して繰り返してみるとか、ぬり絵や習字、音読、歌う、DIY、工作したり、おしゃれを楽しんだり、など。からだも動かしながら、声も出しながら、大いに結構です。
前述のステップ1)だけでも続けて、心とからだがリラックスできていると、平凡な毎日の中にも発見や気づきが多々見つけられるようになります。

ワクワクする!ドキドキする!感動する!までいかなくても、新しいことに少し手を出してみる、ちょっと足まではだせないけれど誰かのお手伝いをしてみる、など。元気なうちから新しい世界に首を突っ込むことに慣れていくことが脳にとっては栄養になります。

また、自分よりも元気な人達と交流をしたり、何より続けていられる仕事があれば、働かなくても収入は十分あったとしても、続けていかれることも視野にいれてみてはいかがでしょうか。


年齢に関係なく、自分はこういうことをして人生を楽しんでいる!或いは楽しむぞ!という新しいスタンス、セルフイメージをつくっていかれるといいですね。

(4)NASA推薦!超簡単な老化予防の方法 【運動】

第4章でお知らせしたこれまでの対策は、いずれもアンチエイジングに通じます。
ここでは、NASA※が発見した自宅で日常的にできるアンチエイジングの運動?!をご紹介します。簡単すぎて、これでいいの!?という感じですが、これも認知症の予防につながります。
(※アメリカ航空宇宙局 政府機関)


具体的には、以下の通りです。
1時間座り続けると…22分間寿命が縮むというNASAの研究結果があります。また、座り続けることが、その他にも、がんのリスクが上がったり、骨密度の低下や代謝異常、認知機能の低下、循環機能の低下・・・などなど、様々な悪影響があることが明らかになってきました。


実はこれは、耳の中の内耳という場所にある耳石(じせき)という器官が動かないことが大きな原因だとNASAの研究でわかったということです。つまり、座り続けていると耳石はあまり動きません。


動かないことがなぜ多くの老化につながるのか?


耳石は全身の筋肉や自律神経(内臓や血管をコントロール)とつながっています。そのため、耳石が活発に働くと、筋肉の活動がよくなるだけでなく、心臓などの働きも良くなって血流が活発なり、コレステロールや糖の代謝もよくなるそうです。


そこで、この耳石を動かすことが体の老化のスピードを遅らせるということが最近の研究でわかってきました。


では、どのように動かしたらいいのでしょうか? 下記をご覧ください。


◆若返りのための超簡単すぎる運動!?
答えは、“30分に1度立ち上がる”だけ!です。
実は「立ちあがる」という動作は、頭が前後左右上下に動くため、耳石を効率的に動かすことができるのです。


これなら、嫌いだのなんのって、そんなこと関係ありませんね。だれでもすぐにできます。座っている時間が長い方は、ぜひ30分に1度は中断して立ちあがってみてください!
もちろん、有酸素運動※はしないよりはしたほうがいいですよ。


尚、体が不自由な方で立つのが難しい場合は、頭を左右に振るだけでも耳石を動かすことにつながるので良いそうです。(耳石は左右の内耳に1個ずつあるので)


※ウォーキングやジョギングが一般的でしょうか。誰でもできてなるべく長くできる運動のことです。20分以上続けると脂肪の燃焼に効果的のようですが、それ以下でも燃えるということです。
これは続けることに意味があるので、通勤時間を利用して5分でも早歩きするとか、無理のない程度、1日1分、自宅の中を早歩きするとかスキップする位から、始められたらいかがでしょうか。^^



《余談》
あなたはアップルウォッチをご存知ですか。時計だけれどメールもできて、支払いもできる、1日の消費カロリーまで教えてくれる。その他さまざまな機能が付いていますが、これは「1時間毎」ではありますが、座り続けていると「立つように」お知らせしてくれる機能もついています。

まとめ

軽度認知障害を含めると、65歳以上の約4人に1人が発症、または予備群といわれています。それの主な疾患要因はアルツハイマー病が6割以上、次に多いのが脳血管性2割です。
やっかいなのは、その要因となる物質アミロイドβが約25年も前から蓄積し始めているということです。早ければ30代からたまり始めている人もいるということです。
また、40代後半から60才前半で発症する若年性型は、脳血管障害によるものが多く、ガンなどと同様に年齢が若いとその進行も速いということです。


■その症状と状態とは!?
私達の認知機能とは、物事を記憶する、言葉を使う、計算する、問題を解決するために深く考える等の頭の働きを指します。
それが進むと、もの忘れや新しいことが覚えられない、お金の計算ができないことから始まり、精神面では不安を感じたり、無気力になったり、気分が沈みうつ状態になったりします。また、周囲の関わりの中で起きる幻覚や妄想、暴力、徘徊(はいかい)などの精神症状や行動障害を生じます。
不安な方は、ごく初期の予測チェックリストを掲載しておりますのでご確認ください。


■予防は可能なのか?
認知症の主な原因は、アルツハイマー病と脳血管性障害について対処することで、発症しないようにできる可能性が高くなります。
大きな危険要因は、
(1)高インスリン濃度による脳のゴミ、アミロイドβの蓄積
(2)高血糖がもたらす動脈硬化
(3)難聴がもたらす脳への刺激低下
これらのリスクを減らすために日常生活でできる主な対策は、下記の5つです。いずれも自宅でできるものばかりです。
①食習慣の改善 ②運動 ③禁煙 ④ストレス作らない、溜めない
⑤「のう」の活性化


■予防策を実践することは、人生の質を高めることになる
からだが元気であるということは、かけがえのない資本になります。対策は、あなた自身の健康改善や維持だけでなく、脳を活発に働かせることに通じますので、記憶力や集中力などの能力アップにつながる可能性がとても高くなります。さらにあなたの仕事やビジネスの生産性を高めることにもつながります。


■認知症対策の①④⑤の下記の4つの実践をお勧めします。
(1)アルツハイマーを予防する『マインド食』の実践【食事の内容】
(2)万病の種!血糖値スパイクへの簡単な3つの対策 【食事のとり方】
(3)自宅で楽しみながらする脳トレ! 【脳の活性化】
(4)NASA推薦!超簡単な老化予防の方法 【運動】
以上が「認知症・アルツハイマーを自宅で簡単に予防する主な5つの方法」です。


以上


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