産後クライシスの原因は?いつまでに修復できれば別居や離婚を避けられる?
産後クライシスはいつまでに修復できれば別居や離婚を避けられる?
産後クライシスは、第1子分娩後の夫婦の気持ちのすれ違いが原因で起こります。
別居や離婚なんてことにならないためにも、この大変な時期をどう乗り越えていけばいいのか。
いつまでに修復できれば本当の家族になれるのか、3つの段階での対策をご参考ください。
目 次
産後クライシスの原因は?修復可能か!?
産後クライシスの意味とは?
これは、子どもを出産した後に、夫婦の仲が急に悪くなる状況のことを指します。
この言葉は、NHKが2012年に提唱したものです。
“出産”は、愛の証(あかし)でもある新たな命の誕生です。人生で忘れることのない最高の一場面になるはずです。
ところが、これを機に愛情にヒビが入ってしまい、別居や離婚の火種を作ってしまう可能性があるのです。
危機が起こる2つの火種
その火種は、2つあります。
ひとつは、新しい命が誕生することによって、生活が一変してしまうこと。
そして、もう一つは、妻の女性ホルモンの激減によって、夫と子との三角関係のバランスが崩れることによって起こります。
前者については、産後にすべてが子供中心の生活に変わることによって、これまでの夫婦のリズムが狂ってしまうということです。
生まれたての赤ちゃん(新生児)は昼夜を問わず1日約3時間毎に授乳が必要です。その前後にお腹が空いた、うんちが出て気持ち悪い!などで元気いっぱいの大声で泣きます。
それ以外は基本寝ているのですが、その間に、家事をこなし自分の睡眠も確保する必要があります。まとまった時間がとれないので、何事も中途半端になりがちです。まず自分の時間はほとんどありません。
この生活がいきなり来るので、妻は肉体的精神的疲労から自分と赤ちゃんのことしか考えられなくなってしまいがちです。
その妻の助けをどうするのか、2人の連携プレーが課題です。
また、後者に関しては、出産という一大事による肉体の疲労と女性ホルモンの激減によって、からだと心が大きな変化を迎えます。
からだは、子宮の回復や産道である膣の傷、帝王切開ならそれに関する傷口、その周辺に関連する骨の回復などに時間がかかります。いつまでに正常にもどるのか? 普通、1年はかかると言われています。また、彼女の関心は夫よりも子に対して高くなります。
このような変化に戸惑い上手く対応できないことから、ふたりの気持ちにすれ違いが生じ、愛情が急速に冷え込んでしまうのが産後クライシスです。
なぜこのような変化が起るのか、その知識があれば、少しでもこの危機を回避・修復できる可能性が高まります。
重大ポイントは第1子出産後
この第1子が生まれた時は、どの夫婦においてもある意味2人の危機的状況の到来です。
初めての体験であり、大変なことをふたりで乗り越える工夫が必要になるからです。相性がよくてもお互いが伝え合わなければわからないことは多々あります。愛しているから、言わなくてもわかってくれているはず・・・は、この時点においては裏切られることが多いでしょう。
それは、これまでにふたりで乗り越えた一大事・問題の経験が少ないからです。
しかし、この時期はお互いの信頼関係や心のつながりを構築するのには、もってこいのチャンスでもあります。
これからの長い結婚生活において、言いたいことやしたいことを我慢するのは大きな苦痛になります。そこで、二人なりのコミュニケーションがものすごく重要になります。
この時期にそれを練習することで、これからのことを二人で乗り越える確かな信頼関係を育むことが可能です。そう考えたらより明るい未来を感じられますね。
出産後、妻の夫に対する愛情度は低下する!?
下図のグラフ※は、はじめての子どもが生まれる前(妊娠後期)から、2歳児になるまでの夫婦の愛情度を追跡した結果です。これは、約300組のカップルに協力してもらい約4年間の変化を追ったものです。
このグラフからわかることは、子どもの成長と共に、お互いの愛情の度合にズレが生じてくることです。
多くの妻は夫よりも子どものほうへ関心が高くなります。これはごく自然なことです。決して、彼に対する愛が薄れたわけではありません。
※「妊娠出産子育て基本調査」/2006年~2009年(出典)東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランス研究部長 渥美由喜著「夫婦の愛情曲線の変遷」
女性ホルモンの激減が夫へ与える影響
しかし、産後は下記のグラフのように女性ホルモンは激減します。その変化はごく自然なことなのですが、夫からすれば自分を遠ざけるような形に見えてしまうようです。
いつまで拒否されるのか、関係は修復できるのか、不安になったり心配になったりしてきます。
男性はそれを知っているのと知らないのでは、気持ちの面で大きな差がつきます。
それぞれのホルモンは本来、下記のような働きをします。しかし、産後はプロゲステロンとエストロゲンがほぼゼロになることと、膣や会陰の傷による痛みや乾燥、かつ育児による疲労から、性欲の減退が起こります。
しかし、男性の体には変化は起きません。なので、セックスを拒否され続けると、愛が冷めてしまったのではないかと勘違いをしたり、その性欲のコントロールが上手くできないとストレスがたまってしまうのです。
そこで、妻のからだへの思いやりと夫の欲望に対する思いやりとが、うまくかみ合えば問題は起こる可能性は低くなります。関係は修復されるのです。
夫婦の在り方の変化が別居や離婚へ向かわせる
先の産後の「夫婦の愛情の変化」のグラフから、「愛している度」の差はあるものの、両者とも徐々に低くなっていっています。これも多分世界共通の現象ではないでしょうか。
相手を異性として感じるよりは家族として感じる移行期でもあるので、別の愛情へと変わっていくのです。
この時期はお互いの本質(本性)が見えてくる時期でもありますね。いつまでも猫をかぶったままではいられません(笑)。
また、産後は大きな生活環境の変化と妻の心身の具合に応じて、ふたりがどれだけお互いを思いやれるか試される期間でもあります。
1900年代20世紀までは、多くの男性は育児よりも仕事優先が当たり前でした。里帰り出産も多く、両親や義母が代わりに妻をサポートしてきました。
男性が子育てに深く関わること自体が恥ずかしいと感じる時代でした。男は育児をしなくても当たり前だったのです。
それが、ここ十数年で大きく変わりはじめました。今や抱っこひもで赤ちゃんを抱えている育メンパパは当たり前。幼稚園保育園の送り迎えはパパの仕事という家庭も多く、ちっとも恥ずかしいことではありません。
男性の育児休暇の話も珍しいことではないのです。
このように、昨今は夫が育児にどれだけ関わっているかが愛情を計る尺度になっているようです。
その子育てを手伝わない相手に対して、今の子育て世代は、“愛していないのなら夫婦でいる必要がない”という考えに変わってきたようです。
それによって、別居や離婚が増えている傾向にあるのかもしれません。背景には、女性の自立が進んだ結果もあるといえます。
産後クライシスの原因は?
産後クライシスの大元の原因は、具体的には下記のようなことが考えられます。
◆出産により子ども中心の生活に変わることによって
⇒妻は育児の疲れや不安によってストレスがたまりやすい。その発散の場がないために、夫に当たりやすくなる。
⇒ケンカしやすい状況発生。
◆男性は、女性の体の変化や産後の状況がよくわからいために
⇒これまで通りの生活スタイルになりがち。また、育児や家事への積極的な協力の仕方がわからない。
⇒女性は、それを思いやりがない、愛情に欠けると判断する。
⇒女性は、何もしない、できない男性にイライラし『役に立たない夫』というレッテルを貼る。
⇒男性は傷つき、サポートする気力が低下。
⇒ケンカ
⇒悪循環。
◆妻の女性ホルモンの激減とからだの変化によって
⇒不安、心配、緊張しやすいなど、ネガティブな感情になりやすい。睡眠不足、疲労、膣周辺(会陰部等)の痛みや乾燥がある。性欲は低下し、夫が求めても拒否する傾向にある。赤ちゃんへの関心が高くなるので、彼は二の次になる傾向。
⇒彼はそれを愛されていないと感じる。
⇒気持ちのすれ違いから、ケンカが生じやすくなる。
このようなことが重なって、夫婦生活に大きな溝を作ってしまいます。
即ち、産後クライシスは、出産後の妻の育児や家事による疲れと女性ホルモンの激減によっておこる体とメンタルの変化、かつ、お互いが思い通りにならないことによるストレス、それらがぶつかりやすい危機的状況になるということです。
その他の離婚の実情
平成27年度の調査では、離婚原因として最も多いのは性格の不一致です。
詳細は下記の通りです。
上の表において離婚理由の1位はどちらも性格が合わないです。
しかし、結婚した時には、性格が合っていたからいっしょになったのではないでしょうか。その後、何かがあって意見の食い違いや価値観の違いが原因で、お互いが折り合いをつけられなかった。
つまり、関係を修復できなかった。よって「性格の不一致」として片づけているように感じます。
その具体的な内容は、それぞれの夫婦によって違うのでしょう。
上記の表において産後2年以内の離婚が増加傾向にあることをみると、産後クライシスはその大きなポイントになっている可能性が高いのではないでしょうか。
いつまでに修復の必要あり!?
このグラフは、妻の「夫」や「仕事」「子ども」その他に対する関心度合いを示したグラフです。
子どもへの関心度は、妊娠後期からを表しているということです。
前述のグラフとも重なりますが、出産後の妻の関心は一気に子どもへと傾きます。反面、夫への関心度は下降します。
しかし、その後、徐々に関心度が高まっていく回復グループと、低い状態からなかなか上がる兆しが見受けられない低迷グループに別れます。
低迷グループのカップルのほうが離婚率が高いかどうかはこのグラフからは読み取れません。
しかし、厚生労働省の調査によれば、妊娠後期から乳幼児期までの夫婦関係が重要としています。
かつ、先の2年以内の離婚者が増えているということから推察すると、2人の関係が悪くなったとした場合、第1子出産後より2年以内に修復ができれば、その後の別居や離婚の可能性は低くなるのではないか、そう推察することもできます。
産後クライシスはいつまでも家族であるための第一歩
夫婦が試される第一関門
前述しましたように「産後クライシス」とは、子どもの出産を機に、ふたりの仲が急速に悪くなる状況のことをいいます。
このような状態がいつまでも続けば大問題です。ですが、人生に課題・問題はつきものです。
潜在能力開発法シルバメソッドの開発者ホセ・シルバは、『人生は問題集のようなものだ』と言っています。
かつ、『解決できない問題は生じない』とも断言しています。
私達は、家庭や仕事などの問題を解決していくプロセスで、たくさんのことを学び精神的に成長していきます。この成長は年齢に関係なくいつまでも成長し続けます。
ですから、問題は課題と捉え、それは「ありがたいこと」として受け止めることができたら、かなりストレスも減っていきます。
出産は大変なことですが、のど元過ぎれば熱さ忘れるで、怖がる必要はありません。ふたりの絆を深める大チャンスです。
育児を通して磨ける能力がある
もう一つ忘れてはいけないことがあります。「産後クライシス」は、夫婦観・家族観が変わったことにより、生じる現象と言いました。
それは、“結婚して子供を持つことが義務であり当然”だった時代が終わりを告げはじめたということです。“仕事も結婚も出産も全て、自由意思に基づく選択になったことです。
少子化は、女性が”自由“を獲得したことによる選択の結果でもあります。
そんな時代に結婚を選択して、二人で子どもをつくろうとしたならば、男性は子育ても家事も、家の仕事として、していくことが求められます。例え、選択の余地なく先にできちゃった結婚だったとしても同様です。
時代の流れから、そうしたほうが男性にとっては、生きやすい社会だとも考えられます。
なぜなら、社会で他者とコミュニケーションを取る際に、共通した話題がある方が共感しやすいでしょうし、彼女とのコミュニケーションの架け橋にもなるからです。
ただ、何事にも妻の流儀があって、その通りにしない夫は手出し不要!と宣告される場合もあるかもしれません。
しかし、自分の身体と育児が大変な時期には、寛容さをもって接することがお勧めです。子どもは彼以上に思った通りにはなりませんから。
この時期には、いい意味で寛容さや大雑把、いい加減さをお互いが学ぶチャンスです。
出産を通して、このような能力を磨くこともできます。
妻が本当にして欲しいこと
結婚したら、いつまでも恋人同士のようにはいられません。
妻は夫からのどんなロマンチックな言葉よりも、自分が辛い時に協力的だった、思いやりをもって対処してくれた、私達の子どもを心から大切に思ってくれている、それを行動で示してくれることに、大きな喜びと感謝を感じます。
余談ですが、逆もしかりです。夫が何かで大変な時に、いかにして寄り添うことができるか、それが末長く円満に過ごせる秘訣でもあります。
個人差はあるかもしれませんが、出産において一番大変な時は陣痛が始まってから、産まれる時、そして、産まれた後、赤ちゃんの授乳のリズムができて、首が座るくらいまでの2,3か月です。
その次が育児や自分のからだの手当にも慣れてきて、子どもの成長が楽しめるようになるまでの数か月、約1歳頃までではないでしょうか。
人によっては夜泣きがひどかったり、発育に問題があったりする場合には、それ以上、心細い時が続く場合もあります。
そんな時に、どれだけ夫が妻を助けることができるか、また妻はどれだけ夫に助けられたと感じるか、そこがガッチリ一致すれば問題は少ないでしょう。
女性は、大変な時に冷たくされた、イヤなことをされたなど、ネガティブなことはいつまでもよく覚えているものです。
そして、あとから、そのことについて、いろいろと蒸し返してくる傾向にあります。こうなると修復が面倒です。ですから、男性は要注意です。
尚、男性はこの時期、仕事がセーブできるように、コントロールできることはしておきましょう。
例え、忙しかったとしても、彼女のことを大切に思っているということを行動で示すことはできます。その努力をすることをお勧めします。
妻が何も言わないから「きっと、大丈夫なんだろう」と考えるのは、後からが恐い!?ですよ。きっと。
妊娠を予定している人、すでに産後クライシスまっただ中の人へ
これからご結婚される方で、妊娠を視野に入れている人は、産後クライシスを避けるための対策を結婚直後から準備していくことをお勧めいたします。
すでにそのまっただ中にいる人は、第4章にある心とからだのリラックスの取り組みからはじめることで、冷静な判断ができるようになります。
それから、何をどう取り組めば関係を修復できるのかすればよいのか第3章を活用して判断し、行動に移していきましょう。焦る必要はありません。
そうすれば、別居や離婚を避けられる可能性が高くなります。
別居・離婚を避けるための10のチェック項目
危機状況を把握する目的
夫婦2人だけだった時には、何の問題もなかったことが、新たな命が増えることによって、いろいろなことで意見の食い違いや価値観の違いが表面化してきます。
また、お互いが相手をわかっているようでわかっていないこと、或いは、わかってもらえていないこともでてきます。
これは当たり前のことです。いくら愛し愛されていてもすべてがわかっているわけではありませんから。
そこで、下記のチェック項目で自己診断し改善に向けて活用してみてください。
これは次の3つの目的を果たすためのツールでもあります。
★相手が何を感じているかを知り合うこと。
★それによって、勝手な思い込みや不安を払拭すること。
★お互いが不満を感じていることを改善していくこと。
産後クライシス原因を探る10のチェック項目
2人がそれぞれに応える質問が10ケずつあります。相手の前では正直に言えないものもあるかもしれませんが、お互いを知るチャンスです。
得点は、1から5までの5段階評価をします。「その通り」を「5」、「全くそうでない」は「1」として評価してください。
妻も夫も主観で答えているので、相手が感じている思惑と点数は食い違うことがあります。
まずは、5点をつけたものの中から一番改善してほしいことを1つずつピックアップして、それについて解決策をふたりで話し合っていくことをお勧めいたします。それが改善できたら、次に気になることを取り上げていってはいかがでしょうか。
或いは、この質問を材料に、お互いの気持ちを聞きあう時間をつくるのも良いですね。相手の気持ちやされてイヤなことがわかれば、配慮するように心がけることもできます。修復の手立てがわかります。
いつまでに話しをしておいた方がよいか? それは早い方がよいですが、少しずつ丁寧に解決していくことをおすすめします。
ただ、話をする時には、2人とも前向きな姿勢で臨むことを約束してください。相手の人格を否定してイライラをぶつけたりするだけ、ののしったり責め立てたりするだけは、やめましょう。お互いが傷つくだけです。
これは2人が課題を乗り越えて、家族というチームが成長していくための取組なのです。子どもの成長とともに、また、子どもが巣立った後も、いつまでも続けていく必要がある取組です。
お互いの気持ちを聞き合い、思いやりのある会話が修復へのコツ!
上記のそれぞれの不満に対して、点数が高いものを一つ取り上げて取り組んでいきましょう。
相手の何が不満の原因か、何がイライラさせる原因なのか、不安要素はなんなのかなど、その裏にある相手の気持ちを聞きあう時間をもつのです。
ふたりで気持ちをシェアするだけで、心が落ち着いたりスッキリしたり、或いは具体的な解決策を思いついたりします。
例えば、妻のチェック項目①育児にイライラし、ストレスを感じている。が5点だった場合。
彼女が何にイライラするのか、何にストレスを感じているのかを聞いてみます。
妻は、『赤ちゃんの泣き声を聞くたびに、起こされる。いつもちょっとしか寝られなかったと感じるので、それが辛いの。これがいつまで続くのかしら、私の体は持つかしら・・・』
という答えがでてきたとしたら、睡眠不足が続いて、自分の身体がダメになってしまうかもしれない、育児ができなくなるかもしれない、という不安があることがわかります。
しかし、永遠にこの状態が続くわけでもないこともわかっています。
今が大変なことを誰かにわかってもらいたい、よく頑張っていることを認めてもらいたいという気持ちから、このような言葉がでてきます。
その気持ちを汲んで、
「ぐっすりと眠れる時間が少なくて、辛いんだね。本当によく頑張ってるね。ありがとう。」
と返せたら妻は大変だけれど、もう少し頑張ってみようとモチベーションがあがるのではないでしょうか。
でも、次のように言われたら、いかがですか。
「そんなのみんなこなしてんだから、当たり前じゃん。こんなことで弱音吐いてどうすんだよ!子どもをほしがったのはおまえだろ!もっと頑張れよ!」
例えば、夫が②育児に自信がない。何をしたらいいのかわからない。に5点をつけた場合。
「小さくてかわいい(赤ちゃん)けれど、もし間違ったことをして、傷つけたり病気にしてしまったらと考えると、恐くて世話をする自信がないよ。」と彼。
彼の手を借りたければ、どのように会話を続ければよいでしょうか。
「この意気地なし!大の男が何言ってんの!○○さんのダンナなんか、◇◇もしてるし、この間は△△もできるようになったんだって!出来なきゃ、追い出すわよ!慣れれば誰だってできるのよ!だから、やって!」
或いは、次のような会話はいかがでしょうか。
「赤ちゃんのことを傷つけてはいけないと、大切に思っているのね。嬉しいわ。」
しかし、ここで終わっては妻の助けにはなりません。
「でも、私は今、あなたの力が必要なの。あなたが慣れるまで、そばについていっしょに世話をするから、私を助けてほしい」
前者の答え方でも、やるようになる夫はいるでしょう。
でも、イヤなのは、「意気地なし」というレッテルをはられること。
そして、人と比べられること。
「出来なきゃ追い出す」という強迫。
もちろん、本気で思ってもいないでしょうが言われた方は傷つきます。素直にやる気が起らないのではないでしょうか。
上記の会話をみると、相手の本当の気持ちを知ることって難しい、そんな言葉かけられない、と思うかもしれません。しかし、まずは聞く側が落ち着いて気持ちを聞こうとする姿勢をもつことです。
そうすれば、話し手の真意が見えてきます。
夫婦の関係を修復する3つの段階での対策
夫婦としてのチームプレーの心得
産後クライシスは、ふたりが本物の家族へと変化していくプロセスでもあります。
その変化に対応できる力が非常に重要です。
赤ちゃんが無事生まれ、妻のからだも大事ないことは一番の望みです。が、その前後を妻の負担を減らして、尚且つ、夫の存在も尊重しながら協力して過ごすことが望ましい形です。
そのために、これまでにしたことがないことにも積極的に挑戦していく姿勢をもってください。
また、子どもを育てるという目的を達成する為には、何が何でも自分の思い通りでないとイヤだという考え方を変えざるを得ないことがあります。臨機応変、柔軟な対応が必要な時がありえるということも覚えておきましょう。
実際にその場面が来た時でないとわからないかもしれませんが、その時に何が優先か、相手を思いやる気持ちがあれば、自ずと答えは出てくるかと存じます。
また、価値観や意見が違うのは、当たり前のことです。
違いを認めながら、お互いの考えを尊重しながら、大切なことは折り合いをつけていくこと。柔軟に対応していく術を少しずつ身につけていってください。
その術は子どもの個の才能をも伸ばし、コミュニケーション能力を育てるのに大いに役立ちます。また、もちろん、別居や離婚を避ける大きなポイントにもなります。
2人がいつまでもそういう考えを共有し実行できれば、問題は少なくて済みますし、修復も早いでしょう。一番のストレスは、自分一人でがんばっているという孤独感を持ってしまうことですから。
産前と分娩時と産後の段階に応じた対策と進め方
次の3つの段階での対策をご参考ください。
すでに産後クライシスの兆しを感じている方も、【出産前】の③のストレスの解消、安産・産後クライシス回避への「瞑想のすすめ」を参考にしてください。
出産前の人はできるところから落ち着いて少しずつ取り組んでください。
尚、2人で「全て一緒にしなくてはいけない」という考えを相手に押し付けないようにしましょう。お互いの自由を尊重しながら、自分が大切だと思うことを自ら進んで実践してください。
それが上手く進めていくコツ、修復への近道にもなるでしょう。
相手に改善してほしいことは時間をとって、冷静に夫(妻)に伝えていくスタンスを持ってくださいね。
【出産前】妊娠安定期から後期の間の事前準備&実施事項
妊娠中期16週0日~27週6日、5カ月~7カ月の期間を一般的に安定期と呼んでいます。
子宮内で胎盤が完成することで、流産の危険性も減り、つわり症状も治まることが多い時期です。また、妊婦の体調も安定し胎動を感じたりすることで、赤ちゃんへの実感がわいてきます。
この頃から、下記の準備をお勧めいたします。
①妊娠・出産における全般的なことを把握しておくこと。
妻のからだの変化や分娩について、その後の新生児(生まれてから28日まで)・の育児について、大まかに情報を共有しておきましょう。
育児本を参考にしたり、実際にご近所や同僚に経験者がいたら話を聞いておくこともお勧めです。
また、区市町村などの保健所で開催している母親(両親)学級やプレママ・パパの講習会などに参加してみることもお勧めいたします。他のご夫婦がどのような姿勢でいるのかを知ることによって、夫の協力体制が変わってくるかもしれません。
②結婚当初から家事の事前練習をしておく。
実際には、病院から退院後が大変になります。
人は必要に迫られないとなかなかしないものです。いざとなったらできる人もいるとは思います。しかし、慣れていた方がストレスは少ないです。
基本、妻が家事を仕切っているケースの場合、最低限、夫にはご飯の炊き方とみそ汁の作り方、洗濯のし方を伝えておきましょう。その他、特にものの置き場所や買い物の場所なども伝えておいた方が楽です。
家事において、自分の流儀でやって欲しい場合には、それを伝えておきます。メモをして渡しておくのもいいですね。
女性も独身の時には、なかなか料理をしない人が多いです。休日は2人で一緒に料理することをお勧めいたします。
尚、母乳を与える場合には、基本和食がお勧めです。ご飯と具たくさん(野菜たっぷり+肉少々)の味噌汁で十分です。洋食や油もの、肉食に偏ると乳腺炎を起こしやすくなります。
妊娠後期には、産後を想定して家事(主に食事・洗濯・ゴミ出しなど)や育児について、サポート体制をしっかりと話し合っておきましょう。
夫以外にサポートしてもらえる人がいる場合も、事前に伝えられることは連絡しておきましょう。
また、家事においては、お互いに完璧主義を求めないようにしましょう。失敗することもあります。彼(彼女)がしてくれたことに感謝できる自分、相手を尊重できる自分に注意を払ってください。
【夫が育休を取れない・忙しい場合】
別にサポートをしてくれる人がいるかいないか、実母や義母もいない場合には、家事だけでも民間の代行を頼れるように調べておきましょう。
準備が整っていれば、妻も夫も安心です。
【その他】
お腹が大きくなってくると、ついからだを動かすことが苦痛になってきます。
歯磨きせずに寝てしまったりすることも多くなります。すると虫歯になる人も多くいます。出産前に治療をしておかないと、産後はなかなか時間を割くのが難しくなります。
痛くなくても、検診を受けておきましょう。そして、虫歯があれば、早めの治療をしておきましょう。
③ストレスの解消、安産・産後クライシス回避への瞑想のすすめ
妊娠中は仕事をしている人はもちろんのこと、からだの変化に応じて忙しくなったり、注意しなければならないことが増えます。
例えば、からだに応じたマタニティウェアの準備に、ベビー用品の準備。妊婦検診や両親学級への参加などに時間を取られます。
また、飲酒や喫煙の量が多ければ注意が促されます。
食生活もいつまでもこれまで通りでいいかどうか?見直しが必要でしょう。
外食やインスタントものばかりで済ませるのは要注意です。手作りとなると、買い物の時間や料理に時間を取られます。
このように今までの習慣を変えることが要求されますから、肉体的に疲れることやストレスが溜まる傾向にあります。
疲労が溜まってくると、過食に走って体重制限を宣告されたりします。すると、さらにストレスを感じます。
それらを解消するために、出産前からとても簡単な瞑想をお勧めいたします。
この瞑想によって、下記の効果が期待できます。
- 日々の疲れ、ストレス解消、出産への不安軽減
- からだと心のホルモンのバランスを整える
- 自己管理能力(食べ過ぎ・飲み過ぎ・規則正しい生活など)を維持する
- 妻(母親)の免疫力アップ(風邪をひきにくくする)
- からだの冷え改善
- 安産
- 安心を伝える胎教
- 産前産後の夫婦の意思の疎通をスムースにする。
仕事をしている方には、是非、妊娠中の早い時期から習慣化していくことをお勧めいたします。
また、産後は女性ホルモンの急激な低下によって、自分の意思と無関係にイライラすることがあります。
そのような事態をなるべく回避するためにも次の実践をお勧めいたします。
この瞑想は、脳波を下げて心とからだをリラックスさせる方法です。これは、潜在意識を活用できるベースとなり、応用すればいつまでも活用できます。
心とからだのリラックス瞑想 【基本編】 1回約15分目安/日
この方法はとても簡単でどこででもできます。是非、これからの毎日の習慣に取り入れていかれることをお勧めします。この応用編は関係を修復していく上でのベースになります。
具体的な進め方は、下記のステップ1~3です。
◆ステップ1:深呼吸で始めます。
静かな場所で椅子に座り、目を閉じます。そして、深呼吸をしてください。ゆっくりと5回位行います。
【 補 足 1】
背もたれのある椅子を使いましょう。椅子に深く座ります。両足の裏がすべて床につくくらいの高さがベストです。両手は、腿の上におきます。
この時の大切なポイントは、呼吸に意識を集中することです。息を大きく吸って、ゆっくりと静かに長く吐くようにします。腹式呼吸ができる方は、してください。
◆ステップ2:呼吸に意識を集中します。
普通に呼吸します。自分の吸う息、吐く息の音だけに意識を傾けてください。この状態を最小10分位行ってください。
【 補 足 2 】
これで、心とからだが徐々にリラックスしていきます。そうすると、手や足の裏があたたかくなってきたり、からだがズシンと重いけれども、非常に心地良い状態になります。
体が自然に温かくなり、心がとても落ち着いてきます。大変気持ちのよい状態になります。
このような状態は、脳波が下がっていて、主にアルファ波が出ているときです。人間のからだはアルファ波が出ている時に、心やからだの疲れやストレスを取り除きます。これを継続することで、免疫力アップや冷え症改善、ホルモンバランスを整える方向へ働いていきます。
◆ステップ3:終わりの宣言
心の中で、1から5までゆっくりと数えて目を開けます。
ただし、5で目を開けた時に、意識がハッキリとしていて、とても健康であること。とても爽快な気分であることも宣言します。
例えば、下記のような形でで終わります。
「1、2、3、4、5、私はハッキリと目覚め、とても爽快な気分です。完全な健康を感じます。」
その後、両手を組んで上へ伸ばし背伸びをして下さい。
【 補 足 3】
はじめの内は1日1回15分の取り組みをお勧めいたします。その他、1日の内のスキマ時間(朝起き抜け、通勤時間・トイレ、昼食後、眠前時など)を利用して、取り入れてみてください。
1回につき、3分でも5分でもOKです。
とにかくちょっとした時間をみつけて、こまめに行えば疲れをより早く取り除いていくことができます。
習慣化するためには、なるべく21日間位は続けてみましょう。途中、さぼっても気にしないで、つづけてください。
このステップ1は、あなたの心のケアをしていくのに、一番重要なステップです!丁寧に実践して下さい。慣れてくると、3回の深呼吸で同じような状態が作れるようになります。
また、この実践によって、心の安定に深く関わる神経伝達物質セロトニンが分泌されます。これは別名幸せホルモンとも呼ばれているものです。日頃からメンタル的に不安定な人はこの量が低すぎるケースもあるようです。この実践はより一層良質な胎教にもなりますので、お勧めです。
詳細は下記をご覧ください。心とからだをリラックスして脳波をアルファ波にする方法は下記をご参照ください。↓ ↓ ↓
誘導音声「心身のリラックス&脳波アルファ波に導きます」
↓ ↓ ↓
安産、産後クライシス回避の瞑想 【応用編】 1回約15分目安/日
この応用編は、基本編を最低でも1週間実践したのちに取り組んでいきましょう。
やり方は、基本編とほぼ同じですが、その中に安産やクライシス改善に向けてのポイントを絞った取り組みを追加していきます。
これは4つのステップで進めていきます。
◇ステップ1:深呼吸をします。5回から3回。慣れてきたら3回まで減らしてもOKです。
◇ステップ2:呼吸に意識を集中します。1分位。
◇ステップ3:あなたが望んでいる状態をイメージします。或いは、赤ちゃんに向けて声掛けをします。ここには、安産に向けてと産後クライシス回避に向けての2通りを掲載しております。
・安産に向けて…赤ちゃんに向けての声かけの場合
お腹に手を当てて、次のように赤ちゃんに声掛けをします。
『赤ちゃん、元気でいてくれてありがとう。私もパパもあなたのこと、大好きよ。愛しているよ。生まれてくるときには、スムースに産まれてきてね。』
赤ちゃんへの愛と感謝の気持ちを伝えておきます。これは、一番の胎教です。このような声掛けは、それだけでも隙間時間を使って、随時されることをお勧めします。
また、初産は時間がかかることが多いと言われますが、そうでない人も結構います。赤ちゃんにこのような声をかけておくことで、お産がよりスムースにいく可能性があります。
・安産に向けて…イメージの場合
予定の産院でスムースに元気におぎゃーと産まれてきたところ、自分も元気、夫も両親もみなホッとしていて喜んでいる場面。それを想像してみます。
実際に喜びを感じられるくらいにイメージできるとベストです。
・産後クライシス回避に向けて…イメージの場合
このイメージは1つの例です。
彼も自分も笑顔で、向き合って握手しているところ。これから力を合わせて、乗り越えていこうという気持ちをお互いがもっている様子。
自分(妻)を助けてくれる(ちょっとした何かをしてくれる)夫に対して、感謝の気持ちを伝えているところ。彼の笑顔。
夫が文句もなく、私(妻)をいたわる言葉かけをしながら、元気に家事をしているところ。それをたのもしく見ている自分。
意見が対立しても、すぐに気持ちを切り替えられている自分。
など、2人のチームワークが上手くいっているイメージならOKです。
・産後クライシス回避に向けて…言葉の場合
具体的なイメージが難しい場合には、言葉で宣言してもよいです。
「どんなことがあっても、2人で力を合わせて、いたわり合い思いやりの気持ちをもって、乗り越えていきます。」
「お互いに疲れた時には無理をしないで休むようにします。ふたりで、助け合ってこの子を育てていきます。」
「ケンカしても、すぐに仲直りします。引きずりません。彼(彼女)の本当の気持ちに耳を傾けます。」
などです。
教会で結婚式を挙げた方は、十字架の前で誓った言葉でも構いません(笑!)
また、すでにクライシス状態の場合も、改善できることを信じて、気持ちを切り替えて、素直に実践してみてください。
修復できるかどうか心配したり疑っている時間があれば、このイメージないしは、言葉を宣言してください。
そして、不安になった時にも、すぐに気持ちを切り替えて、上記の肯定的なイメージ、言葉を繰り返し実践していきます。
◇ステップ4:終わりの宣言…基本編と同じ
以上です。
【補足】
ステップ3は、すべてやる必要はありません。時間やあなたの状況によって、内容を選択して、実践してください。ポイントは、イメージしたり宣言することが楽しい作業であることです。
「しなければいけない」ものでもありません。「しなければそうならない」ということでもありません。実践がストレスになるようでしたら、しない方がよいです。
イメージや声掛けを楽しみ、安心につなげていく作業です。
出産まで1日1回位、続けていかれればベストです。回数は多くても問題ありません。
産後もできる範囲内で、3人の笑顔と夫婦が助け合って日々過ごしている様子を言葉やイメージで、続けていきましょう。
これらは潜在意識を活用した方法です。なぜこのようなイメージや言葉を活用することによって、改善の可能性があるのか、下記をご参照ください。
誘導音声「心身のリラックス&脳波アルファ波に導きます」
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夫も一緒に瞑想する効果!
この方法は、妻だけのものではありません。夫もいっしょにすることで、より効果的になります。
まず、安産への安心度がたかまるでしょうし、産後クライシスの不安が減り、楽しみに感じられるようになるでしょう。セックスのセルフコントロールができやすくなります。
また、中には、産後の妻の変化について行けず不安になる男性もいますが、瞑想の実践をしていれば、そのようなことでパニックになることはまずないでしょう。
男性自身の仕事のストレスも早く解消できるようにもなります。また、下記のような効果も見込めます。いくらでもいつまででも活用できます。
仕事や物事への集中力が増します。効率良く処理ができたり、質の高い仕事が期待できます。
また、イライラすることが減って、精神的に穏やかになることが多くなります。
その他、個人差はありますが、好影響はたくさんあります。
なぜ、このような効果が期待できるのかというと、下記をご覧ください。
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「心を強くする心身リラックス(脳波アルファ波)の7つの効果」
④寝る前の良かった探し!5分日記のすすめ
産後は、1にも2にも体力の必要性を実感します。
赤ちゃんは愛おしい存在で、可愛くてしょうがないのですが、やはり初めて事だらけは疲れることがあります。
そんなときの助けになりますので、出産前から寝る前に日記をつけてみてはいかがでしょうか。
日記と言っても、3行、或いは5行日記です。
1日を振り返って、良かったこと、楽しかったこと、感謝できること、それらを3つないしは5つ見つけて、箇条書きします。
前述の瞑想を夜にする場合には、その終わりのところで、ここで取り上げる3つを思い出すという習慣をつけることもお勧めです。
1日の最後をハッピーな気持ちにして終わるのです。(ピークエンドの法則)
これは良質な睡眠につながります。また、感謝できる感性を養っておくことで、出産後、からだがしんどい時や、精神的に大変な時に気持ちを切り替えやすくします。
例えば、
今日も元気に私のお腹をグイーッとけってきた!元気で良かった!
彼がお腹の子に「ママが痛くないように出てきてくれよ」と声をかけた。
妊婦検診で、順調に育っていると言われた。
など、些細なことで構いません。
これを産後も続けていくことで、心が折れにくくなり、メンタルを強化することができますよ。
<参考>詳しくは、下記の無料メールセミナーをご活用ください。
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【出産時】立ち合い分娩の是非
昨今は分娩に立ちあう男性が増えています。が、夫のタイプをよく吟味してから決めた方が良いようです。
自然分娩には、出血が伴います。
少数派ではありますが、血を見たり、真っ赤な胎盤を見て、ショックで倒れたりするような男性もいます。そうなると周りも迷惑ですし、彼も余計にショックを受けるかもしれません。
女性は、愛しているなら立ち合うのが当たり前と決めつけないようにしましょう。
向き不向きがあることを踏まえておいてください。立ち合うか止めるかの判断は、夫が気乗りしない場合には、無理強いしないほうがよいかと存じます。
また、これも少数派ではありますが、出産に立ち合うことで、妻を女性として見られなくなり性欲を掻き立てられなくなってしまう男性もいるようです。
そうなれば、産後のセックスレスにつながる可能性がありますので要注意です。ロマンチックすぎる男性は気をつけたほうが良いかもしれません。
話しは変わりますが、分娩室には入らないまでも、陣痛があるときには、妻はものすごい痛みを感じます。
ただ見ているだけではやるせなさを感じます。その時には是非、彼女の腰を上から下へ、少し強めになでおろしてあげてください。痛みが半減しますし、妻は楽です。
いっしょに乗り越えている感!を感じてくれるのではないでしょうか。
【産後】対策と実施事項
①夫の育児休暇について
出産後は、無理のない程度に赤ちゃんと妻の様子を伺いに病院へ面会にいきましょう。
男性も休暇が取れるようであれば、退院後の数日~1週間だけでもとることをお勧めいたします。
②家事について
どちらが何をするのか、例えば、赤ちゃんのことはすべて彼女、それ以外は彼、などと分担するよりも、どちらも両方できた方がよいです。
もちろん、夫は母乳を与えることはできませんが、ミルクの場合にはできますね。
産後の妻の様子を見ながら、臨機応変に2人で家事と育児をしていかれることをお勧めします。
食事もふたりが疲れた場合には、お弁当で済ませたり夫に外食をしてもらったり、そのあたりお互いの融通が利くと楽ですね。
掃除は少々しなくても生きていけますので、できなくても気にしないことです。
が、洗濯は必要ですからそれはなるべく滞らないようにしましょう。
あと紙おむつなどのゴミも増えますから、ゴミ捨てを忘れないように気をつけましょう。
夫が手伝ってくれるからといっても、彼も慣れないことには疲れます。ですから、育休をとっていても、家事は必要最低限でOKと考えてください。
③からだのいたわり方について(妻)
女性は、退院後、赤ちゃんの世話も大事ですが、自分の身体に十分気をつけてください。
産後はもとの体型にもどるためにも動きなさいと言われますが、ほどほどがお勧めです。
特に冷やさないように気をつけてください。
私の経験からすれば、立った状態での赤ちゃんの抱っこを頻繁にしたり、長い時間抱えると恥骨に負担がかかります。
恥骨が充分もとに戻っていない内に、重いものを長く抱えたりすると、いつまでも痛みが残ります。
これが数年経っても、疲れた時に痛むのです。産後は骨盤だけでなく、あちらこちらが元にもどっていないので。
男性はこんなの軽いでしょ!と思うかもしれませんが、いっときの間サポートしてあげてください。
セックスに関しても、セルフコントロールしましょう。前述の瞑想を進めていくと、セルフコントロールがしやすなります。
また、スマホやPCで目を酷使しすぎると、視神経のコントロールが利かなくなることがあります。
急激な視力低下や斜視のようになる可能性もありますから、気をつけてください。
さらに、健康に自信がある人ほど、無理をする傾向にあります。
いつまでも無理を重ねると、からだの回復が遅くなります。母乳の出具合にも関係してきます。
また、更年期の時にそのツケが回ってくることもあります。
是非、夫や両親、義父母を頼ってください。サポートしてくれる人に、少しの間任せて、睡眠をとってください。助けがあるときには頼りましょう。
頑張り過ぎないことを学んでください。
④メンタルのケアについて
しっかりものの女性ほど、注意が必要です。
からだの無理をしやすいこともそうですが、思い通りにできないことを自分が悪いからだと、自分を責めたりダメ出しをしたりしないでください。
はじめからすべて上手くできる人はいません。自分で母親失格の烙印を押さないように気をつけましょう。
そんな妻を目にしたら、夫は優しくフォローしてあげてください。
産後に完璧主義は止めましょう。自分にも彼にも求めないようにしましょう。
赤ちゃんが生きていること、彼がいてくれることでよしとできたらベストですね。
絶対にこうしなければならない的なルールは、相手も自分も追い詰めることになりかねないので、お互いに大目にみるようにしましょう。
寛容さを学んでください。
⑤コミュニケーションについて
恋愛時代から、その時々の自分の気持ちを素直に伝えられる関係がベストではあります。しかし、日本人はそのような文化の素地がまだまだできていません。
自分勝手な憶測や思い込みで無用な心配をしたり不安を抱えてしまうことも多いです。
ですから、お互いが相手の気持ちを聞く姿勢を持つこと、産後は彼女の方のストレスが大きいので、夫は気持ちを聞く姿勢をもってください。
ただし、彼女の問題を一人で解決してあげようと思う必要はありません。いっしょに解決策を考えればいいですし、意外に聞いてあげるだけでスッキリとすることは多々あります。
また、妻は、自分が大変なんだから夫がなんでもするのは当たり前!なんて思わずに、彼にも思いやりをもって接することを心がけください。
言いたいことをすぐに言うのはいいのですが、言い方に気をつけることです。
相手の人格を否定していないか(そんなこともできないの!この役立たず!)、
勝手な憶測や思い込みで、レッテルを貼っていないか(浮気したんじゃない!)、
これらは傷つきます。
信頼関係にヒビが入り、サポート意欲を削いでしまいます。
言葉の使い方は、今後の子育ての練習台にもなります。
また、日中赤ちゃんと2人だけになった時に、妻は心細く心配になるものです。その気持ちを夫は理解しておきましょう。
彼女がラインでメッセージや写真をたくさん送ってきたら、心細いからかもしれません。或いは喜びを共有したいのかもしれません。その内、安定してくれば、回数はおのずと減っていきます。
お互いに積極的に掛け合おうねぎらいの言葉
本当に彼女がのぞんでいるのは、“彼の真心から発するねぎらいの言葉”です。
夫は、家族の為に仕事をしていますから、育児や家事を手伝えるのは限られた時間です。それは妻も承知です。だから手伝わなくて良いということではありません。
大切なことは、積極的に育児・家事に関して積極的にかかわっていきましょう。そして、お互いがその大変さをねぎらい合う言葉かけをしていきましょう。
言わなくてもわかっているかもしれませんが、感謝の言葉をかけられたら、やはりうれしいものです。ストレスや疲れが一気に軽くなります。この人と赤ちゃんの為にと、ふたりの絆がより強くなっていきます。
ですから、あえて口に出して伝え合いましょう!
まとめ
“出産”は、夫婦の愛の結晶である新たな命の誕生!です。人生で最高に幸せな一場面です。
ところが、この出産をきっかけに急速に愛情にヒビが入ってしまう場合があります。このことを産後クライシスと呼んでいます。
これは第1子を産んだあとに起るケースがほとんどです。なぜなら、2人でのこのような経験を乗り越えたことがないからです。
その原因は、下記の通りです。
- お産により子ども中心の生活に変わるため、妻ははじめての育児による不安心配、疲れによって、ストレスがたまる。
- 夫は、妻の状況の認識が薄く、育児や家事への積極的な協力や思いやりに欠如している場合、彼に対してイライラが募る。
- 分娩による妻の女性ホルモンの急激な低下と出産で傷ついた部分の痛み、かつ育児の疲労によって、夫の性欲を受け付ける気分になれないことが多い。男性はそれがストレスのため、ふたりの気持ちにすれ違いが生じる。
これらが重なって、危機的状況が急速に訪れます。
ただ、感情に任せたままで悪い関係が長引くと、別居や離婚につながる可能性が高くなります。
夫婦関係がギクシャクしてきたら、なるべく早めの対処が功を奏します。
昨今の離婚事情や厚生労働省の調査結果から、できれば2年以内に修復ができることが望ましいことが推察できます。
尚、そのような関係にならないためには、出産前から準備が必要です。
ここでは、産前、中、産後の3段階において、ふたりの意思疎通をはばむ問題を解決する為の対策と事前準備について掲載させていただきました。
もし、クライシスまっ只中の場合には、何がお互いに不満なのか、第3章の10のチェック項目で状況を把握してください。
そして、第4章の産前段階からの取り組みである「瞑想」を実践することによって、気持ちを冷静にセルフコントロールしやすくなりますから、その上で実際の対策を実行することをお勧めします。
そうすれば、別居や離婚を回避できる道筋が開けていくでしょう。
尚、この危機的状況は、どんな夫婦にも起こりえます。それが実際の別居や離婚につながる可能性が高くなったのは、時代による夫婦の在り方の変化によります。
産後クライシスは、ふたりの強い絆や信頼関係を育む大きなチャンスです。その連携プレーとチームワークによって、是非、乗り越えてください。
あなたには、その力が備わっていますよ。
以上は、「産後クライシスはいつまでに修復できれば別居や離婚を避けられる?」でした。
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